おめでとう!!
親子3代の句集「渡り初め」出版


――10.26・川口市、道の駅「川口・あんぎょう」で――

 夫とそろって協議会の会員である加藤良江(俳号・良枝)さん(60)が、父や長女と一緒に、親子3代にわたる俳句集「渡り初め」を出版、10月26日に道の駅「川口・あんぎょう」で出版記念パーティーが開かれた。長女の恩師、元日本放送作家協会理事長の西澤実さんは「父が娘に、娘は孫に、黙って伝えたことば遊び。俳人3代が手をつなぎで輝かしい渡り初めを果たした。めでたい限りだ」と祝意を述べた。

朗読集団「ぶれさんぽうず」による俳句の朗読
朗読集団「ぶれさんぽうず」による俳句の朗読

                              加藤さんご一家(左2人目から良枝、ミチルさん)
加藤さんご一家
 白樺は真直に夏の急斜面      父 香村
 墨田一丁目日だまり猫が溶けている  娘 良枝
 山焼いて神様を探しやすくする   孫 ミチル


 出版記念パーティーには、良枝さんが主宰する俳句教室の教え子らを中心に約160人が出席。西澤さんのほか、良枝さんが所属した俳誌「紫」の主幹山崎十生さんや密蔵院住職の山口僧正らも出席し、出版を祝った。
 パーティーでは、 ミチルさんの母校・日大芸術学部の朗読研究会を母体に結成されたプロの朗読集団「ぶれさんぽうず」による3人の俳句を朗読するアトラクションも行われた。

            ■

 父の故香村(本名・改四良)さんは、大正4年、安行生まれ。正岡子規の弟子で安行3兄弟俳人の末弟、中山稲青に師事し、稲青主宰「睡蓮」に投句し「楠柯」や、今井紫秋の「きさらぎ」の同人だったこともある。昭和55年、64歳で他界。

 峰とおる風ききとめつ春耕す
 なく蝉になかぬ蝉あり大欅
 山茶花や畳ぬう針光りけり


 良枝さんは、父の故香月さんの長女として生まれる。10代の後半から安行句会の故鈴木東洋や密蔵院の先代住職夫人の故山口房子らの指導を受ける。父の看病などで10年ほど俳句から遠ざかったが、昭和61年、安行東公民館の俳句講座で石井樹氷と出会い、「紫」の同人となる。現代俳句協会会員で、平成9年からは、安行公民館の俳句講座で後進の指導にあたる。

 湯浴後の乳房に秋の秘む記憶
 闇のような心が憎いマ曼珠沙華
 このめどきびょうきになったはとどけい


 ミチル(本名・相田綾子)さんは、昭和43年生まれ。加藤久和、良枝さんの長女。日本大学芸術学部で西澤さんから俳句の手ほどきを受ける。平成5年に「紫」同人。現代俳句協会会員で、平成14年に「紫」新鋭賞受賞。

 角の数だけこんぺいとうは知恵を持つ
 淡雪と桜の同じDNA
 青空は一番大きな裸です


            ■

 加藤良枝さんは「親子三代の句集を出すのが長年の夢でした。私が今あるのは、多くの先生方や句友の方々のおかげです。そして主人の理解と協力なくしては、句集はできなかった。主人にも感謝しています」と語っている。

 燧ケ岳より大きな夫と鰯雲  良枝

  句集「渡り初め」は「文学の森」社刊、2600円。



    [ Back ] 
Copyright The Hatogaya Com