コンパス

 <歩きのグッズ>の一つで、最も大切で頼れるものは、コンパスである。スウェーデンの登山用品メーカー「シルバ社」の「bW」=写真=を愛用している。幅55ミリ、長さ110ミリ、大きさも手ごろだ。磁針が収納されている円形のカプセルには特殊オイルが封入されており、磁針の動きが安定している。1932年にシルバ社が初めてオイル封入コンパスを開発。以来、多くの登山家やハイカーらに活用されてきた。


 シルバ・コンパスとの付き合いはもう20年近くになる。子供が幼稚園に通園していた甲府では、市主催のオリエンテーリングに家族4人で参加、入賞した時もシルバ・コンパスを携えていた。

 山歩きだけの専門用具ではない。ボクはいつも携行。便利だなと思うのは、地下鉄や地下街から地上に出てきた時に方角がわからず迷ってしまうことが多いためだ。地下鉄駅や地下街の通路の出口などはらせん状に回っていることが多い。ある程度方向を推定していても、イザ、地上口に出るとまったく分からないことが多い。まるで、パソコンがフリーズしたように、体が動かなくなってしばらく立ち止まってしまうことが多い。(田舎者だから)。こんな時、コンパスがあると、ほぼ目的地への方向が推察できる。歩き始めると、道路表示も出てくる。

 東京の高層ビル街を歩いている時も同じだ。視界がビルで遮られても、コンパスで確実に進むべき方向がを示してくれる。シルバ・コンパスは、意外と便利なグッズである。

 職場の後輩の女性が会社を辞め、より働き甲斐のある再就職のためにブラッシュアップしようと、英国ロンドンに留学した。親しい仲間と開いた送別壮行会で、ボクは、それまで長い間愛用していたシルバ・コンパスをプレゼントした。知らない土地で迷ったら活用してほしいという、実利的な願いととともに、行き方や人生に迷ったらコンパスを見てほしいと思ったからだ。コンパスの磁針はいつも北を指す。初心を貫いてぜひ雄飛してほしいという気持ちからだ。

(2000.11.22)


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