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読売新聞秋田版から・番外
千葉智(さと)さんの街づくり活動、俳句通信「雑木林」の終刊を伝える記事が、2009(平成21)年10月22日付の読売新聞秋田版とWeb版「ヨミウリ・オンライン」に掲載されました。筆者の田中雅之氏は、読売新聞大仙支局記者です。(原文は縦書きのため体裁を整えました)
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俳句で心の交流 手作り投稿誌 終刊 12年で450人と出会い
12年間を振り返り、集まった俳句の思い出を話す千葉さん
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仙北市田沢湖の主婦千葉智(さと)さん(71)が12年間、地道に発行し続けた句報「雑木林」が今年7月、節目の100号を迎え、終刊となった。地元を訪れた人と俳句で交流を図ろうと投句箱を設置し、集めた俳句を載せた「雑木林」は毎回、投句者の元に届けられた。終刊を惜しむ声もあるが、「年と共に気力体力が続かなくなった」という。千葉さんは今、集まった句を読み返しながら、「出会いの冥利(みょうり)」を感じている。(田中雅之)
病む吾をムラサキシキブ見つめたり
稲株の霧に朝日がきらめいて
1998年に仙北市の女性が作った2句は、千葉さんの心に残る作品だ。俳句の脇には「体調が思わしくなく落ち込んでいる私に、夫が投稿をすすめてくれました。初めて作りました」と書き添えられていた。
後日、病気を患っていた女性と電話で俳句の話をしては盛り上がり、句報を届けに女性の家を訪れたりするようになった。女性はその後も7回続けて投句したが、2000年9月、52歳の若さで亡くなった。
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千葉さんは1973年5月、小学3年生だった長女の担任教諭の手ほどきを受け、俳句を始めた。17文字に、あらゆる情景や思いを込められる俳句に奥深さを感じ、児童の保護者と句会を結成するほどにのめり込んだ。
仙北市のわき水の名所「茶立ての清水」に投句箱を設置したのは97年2月。集まった句は、ワープロで作成したA4判の句報「雑木林」に収め、投句者全員に郵送した。
「雑木林には自然の素晴らしさを感じる」と気に入って、このタイトルを付けた。句報は年8回ほどのペースで発行。近況などと一緒に、句の感想も添えられている。そして、年末が近くなると毎年、夫茂樹さん(72)と一緒に、その年の特選を決め、対象者には、地元特産の長芋を送っていた。
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秋田市手形、無職成田栄子さん(77)は、仙北市の玉川温泉に湯治に行って肺の病気が治った経験があった。回復した後も、当時小学生だった2人の孫娘たちと温泉に通い、茶立ての清水に立ち寄っていた。97年の夏頃、投句箱に気付き、初めて詠んだ俳句を2句入れた。
葉がくれに名残惜しげに白木槿(むくげ)
清水汲むその手の白さに夕日おち
成田さんは「つたない俳句が拾われたことに驚き、自信を持つことができた。俳句が好きになるきっかけになった。『雑木林』が終わったのは残念」と話す。
千葉さんは12年間を振り返り、投句者450人の俳句と出会ったことを振り返り、こう語った。「投句箱がきっかけで、俳句を続けてくれている人もいる。子供たちが詠んだ素晴らしい感性の句もある。いろんな人の、いろんな思いの俳句と出会えた」
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